心をほぐしてくれる大切な一杯は、よりおいしく味わいたいもの。中でもワインは、グラスにより、味の印象が変化します。同じワインでも、違う種類のグラスで飲むと、全く違うワインに思えるほどなのだとか。
だからこそ、最適なグラス選びも大切です。ここでは、ワイングラスを手にする際に知っておきたい基本、選び方をご紹介します。
味わいを引き出す機能的なグラス
そもそもワイングラスは、特徴的な形状に意味がある、機能的なグラスです。これにより、香りの広がり、温度の変化、空気との接触、口への広がりなど、それぞれのワインに適した状態でたのしめるのです。
部位の名称
ワイングラスでは、各部分を以下のように呼びます。
リム・・・ワインを飲むときに口をつけるグラスのふち。「口」ともいいます。
ボウル・・・ワインが注がれる部分
ステム・・・ボウルを支える脚
プレート・・・グラスの台座
ワイングラスに欠かせない3つの要素
ワイン本来の味わいをたのしむためにも欠かせない、3つの要素です。
1.リム(口)がすぼまっている
ワインは、香りも含めておいしさ。リムがすぼまっていることで、グラスの中に香りがこもり、より感じられます。
2.無色透明なガラス
ワインの色や状態がよくわかるよう、無色透明であることも、ワイングラスの基本的な条件です。デザインも、シンプルなものが好まれます。
3.ステム(脚)がついている
ワインを最適な温度で飲むためにも、ステム(脚)は重要です。これにより、手の温度が伝わりにくくなります。
ワインとワイングラスの形
注ぐワインの種類で、グラスは大きく3タイプに分かれます。
「ブルゴーニュ型」
丸みのあるボウル部分は、金魚鉢のような膨らみと、すぼまったリムが特徴です。赤ワインの中でも、ピノ・ノワール種など、渋みや酸味が少ないワインとの相性がよいワイングラス。繊細な味わいや香りをしっかり楽しめます。
「ボルドー型」
ブルゴーニュ型よりも、リムとボウルが小ぶりで、ステムは長め。赤ワインの中でもカベルネ・ソーヴィニヨン種など、タンニンが豊かなワインとの相性がよく、果実感や爽快感を楽しめる辛口の白ワインにもおすすめです。一般的に、冷やして飲む白ワインやロゼワインは、温度が大きく変化しないうちに飲み切れるグラスが最適です。また、手の温度がワインに伝わりにくいよう、ステムが長めにつくられています。
「シャンパーニュグラス」
華やかな席で、アペリティフ(前菜)として提供される場合の多い、シャンパーニュやスパークリングワイン。きめ細やかな泡立ちをたのしめる、細長いワイングラスが選ばれます。
まずは一脚そろえましょう
はじめてワイングラスを選ぶ際に迷うなら、「ボルドー型」をおすすめします。汎用性があり、テイスティングにも使われ、ワインはもちろん、日本酒を常温や冷やでたのしむ際にも魅力を引き出してくれます。
また、ワイングラスを迎えるにあたり、収納スペースも確認しましょう。ステムがあり、一般的なグラスよりも繊細なものの多いワイングラスは、専用の箱以外に収納するなら次の3点に気を配ると安心です。
●ステムに負荷がかかっていないか?
●グラスの部分がほかのものと触れていないか?
●出し入れしやすい高さか
●グラスの部分がほかのものと触れていないか?
●出し入れしやすい高さか
専用のホルダーに、かけたり吊るしたりして保管するか、食器棚の場合は逆さにするとよいでしょう。埃が入りにくく、重心も下がるのでより安定します。
もちろん、お手入れも丁寧に。ぬるま湯と中性洗剤をつけたスポンジでやさしく洗い、水垢がつかないようしっかり拭きあげます。ピカピカになったワイングラスに、きっと愛情もひとしお。また、おいしい一杯を飲もうと、次のひとときに思いを馳せるのも、よろこびになるはずです。